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東野圭吾さんの小説を読みました。
2009年に映画化もされているよう
(…帯で知りました)なので、
知っている人も多いかと思います。
重く切なく、心が揺さぶられる小説です。
少年犯罪を被害者の側から扱った作品です。
-----あらすじ-----
普通の会社員である長峰は、
妻を失ったものの、唯一の肉親である
一人娘の絵摩と暮らしている。
思春期にある絵摩は、長峰にとって
理解をできない年代でもあるが、
最愛の情をそそぎながら、
毎日を過ごしていた。
しかし、花火大会の日。長峰は、
絵摩と連絡がとれなくなってしまう。
そして、数日後、絵摩は死体と
なって発見される。
しかも、絵摩はレイプされうえに、
殺害され遺棄されいた。
あることから犯人の存在を知った
長峰は、復讐にかりたてられていく…。
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まず殺人事件などの犯罪に突然、
巻き込まれてしまった被害者の遺族の
心情って…と思わずにはいられません。
小説内でも、幾人もの人たちが
復讐に急激に傾斜していく主人公に、
共感の気持ちを抱いていきます。
そして、読んでいる自分も。
十分に想像し難いことですし、
したくないことですが…。
もっと複雑な感情が渦巻くだろうし、
あるいは全く感情さえ、
沸いてこないのかも知れません。
ただ、長峰の感情は必ず生じる
その中の一片なんだろうと思います。
また、この小説は少年犯罪を
取り扱っています。
少年法について扱った本は、
小説に限らず数多くありますが、
それらを読むたびに考えさせられます。
そして、自分の中で答えが出ないテーマです。
この小説を読んで、改めて考えさせられました。
結論でないですけど。
逃げ場のない哀しさと虚しさ、怒り…
苦しみ続ける長峰と共に、
大切なことを考えさせる小説です。
東野圭吾[2004]『さまよう刃』角川書店、角川文庫。
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