映画の話、本の話。
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ぼそっと。映画の話、本の話。
ja
2012-08-30T02:40:37+09:00
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『Rubber Soul』
井上夢人さんの作品、『Rubber Soul』を読みました。
不幸な生い立ちから引き込もりになっていた男が
偶然に“出会った”モデルに一目惚れしてしまう。
恋愛どころか、世間にさえ慣れていない男の想いは
一方的に募っていき、異常な色彩をおび始める…。
ストーカーを題...
井上夢人さんの作品、『Rubber Soul』を読みました。
不幸な生い立ちから引き込もりになっていた男が
偶然に“出会った”モデルに一目惚れしてしまう。
恋愛どころか、世間にさえ慣れていない男の想いは
一方的に募っていき、異常な色彩をおび始める…。
ストーカーを題材にした小説です。変質的な愛情を
描いていますが、読み終えみると、
もしかしてこれは純愛小説なのかも…
と思ったりもしました。
相手を一途に思う、ただ不器用すぎて、
そして、不幸が重なりすぎたせいで、
ボタンを掛け違ってしまっているのかなぁと。
あ、ストーカーを擁護する気は全くないでし、
ストーキング一般がそうだって話でもないですよ。
ただ、この小説の主人公の話(ケース)です。
主人公が音楽通ということもあって、
ビートルズを中心に音楽の話題が散りばめられて、
小説を彩っています。
ストーリーに荒さがありますが、面白みのある小説です。
井上夢人『Rubber Soul』講談社。]]>
その他
2012-08-30T02:40:37+09:00
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『黒の狩人 (上)・(下)』
大沢在昌さんの「狩人」シリーズの
最新刊を読みました。
『北の狩人』『砂の狩人』、そして本作
『黒の狩人』へと続く「狩人」シリーズですが、
その特徴として、シリーズに共通して出てくる
キャラクターが脇役的な存在であった、
ということがあります。
新宿署の刑事・佐江がそのシリ...
大沢在昌さんの「狩人」シリーズの
最新刊を読みました。
『北の狩人』『砂の狩人』、そして本作
『黒の狩人』へと続く「狩人」シリーズですが、
その特徴として、シリーズに共通して出てくる
キャラクターが脇役的な存在であった、
ということがあります。
新宿署の刑事・佐江がそのシリーズで共通する
キャラクターなのですが、先の2作では特徴的な
キャラクターとしては描かれているものの、
準主役程度の脇役としての存在していました。
しかし、本作ではその佐江が主人公の一人として、
謎の多い中国人協力者と外務省の美人職員とともに、
物語を通して活躍します…というか、
佐江は様々な思惑の中、振り回され続けます。
主役になっても、佐江の貧乏くじをひかされる
展開というのは変わらないみたいです(笑)。
本作は、中国人を被害者とした連続殺人事件が
発端となります。
職業や出生の異なる被害者達だったが、
共通して謎の刺青を彫られていた。
佐江は、上層部からあてがわれた中国人の
捜査補助員とともに捜査にあたることになる。
謎の多い中国人の捜査補助員、さらには、
外務省の職員である由紀が加わり、
佐江達は事件の真相に迫っていく。
次々と話が展開していき、どんどんと読み進める
ことができるのは、大沢さんの作品の特徴です。
息をつかせない展開のなか、別々に進行していた
話が一つの線につながっていきます。
途中、登場する中国人の名前と関係性が
こんがらかってしまい(苦笑)、誰が誰やら
分からなくなってしまったりもしましたが…
「狩人」シリーズの中では、最も面白い
作品だと思いました。
ただ、帯にあった“「新宿鮫」と双璧をなす"
というフレーズには同意できません。
「新宿鮫」には及ばないかと。
大沢在昌[2011]『黒の狩人(上)』新潮社、新潮文庫。
大沢在昌[2011]『黒の狩人(下)』新潮社、新潮文庫。
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【本】小説
2011-09-28T17:07:25+09:00
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『暗渠の宿』
少し前に芥川賞を受賞した西村賢太さんの
作品を読みました。再読です。
「けがれなき酒のへど」と、標題でもある
「暗渠の宿」の2編を収めた文庫本です。
芥川賞受賞の報を耳にし、西村さんの作品を
どれか読んでみたいなぁと思っていたところ、
“話題の一冊”として本屋に平積みされ...
少し前に芥川賞を受賞した西村賢太さんの
作品を読みました。再読です。
「けがれなき酒のへど」と、標題でもある
「暗渠の宿」の2編を収めた文庫本です。
芥川賞受賞の報を耳にし、西村さんの作品を
どれか読んでみたいなぁと思っていたところ、
“話題の一冊”として本屋に平積みされていたので、
手に取ったのがこの文庫本でした。
受賞作より、さきに読んだわけです。
瞬く間に、この作家のファンになってしまいました。
私小説というほとんど読まないジャンルですが、
全てをさらけ出して読み手に迫ってくる文章に
圧倒されて、惹き込まれてしまいました。
西村さんの投影である主人公は、
かなり性格が捻じ曲がってます。
正直、実際に身近にいたら仲良くはなれない、
むしろ、なりたくない部類の人間だと思います。
ただ、ある意味自分に正直で、器量が小さく、
不器用な性格はキャラクターとしてどこか
憎みきれないところがあります。
それに、彼の抱える他人に対する不信感や
常に抱えている心の鬱屈は、自分も確実に
その一片を持っているように思い、
「さすがにそこまでは…ないな」と思いつつも、
何がしかの共感を抱いてしまいます。
人の性(さが)をついてくる私小説です。
西村賢太って凄いッ!!
西村賢太[2006]『暗渠の宿』新潮社、新潮文庫。
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【本】小説
2011-09-28T02:38:45+09:00
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『最悪』
奥田英朗さんの小説を読みました。
奥田さんの小説を読むのは、これが初めてです。
ジャンルで言えば、クライム小説(犯罪小説)…
そういうジャンルが確立されいるのか
知りませんけど。あしからず。
耳に齧ったところによると、
海外ではけっこう多いみたいです。
ノワ...
奥田英朗さんの小説を読みました。
奥田さんの小説を読むのは、これが初めてです。
ジャンルで言えば、クライム小説(犯罪小説)…
そういうジャンルが確立されいるのか
知りませんけど。あしからず。
耳に齧ったところによると、
海外ではけっこう多いみたいです。
ノワールとも呼称されるジャンルです。
ノワールと言えば、『不夜城』で有名な
馳星周さんが日本では代表的な作家さんです。
(ノワールって暗黒小説と訳されたりするので、
微妙にジャンルが違うのかも知れません…。)
最近、増えてきているとは言え、
やっぱ日本では道徳観からか、犯罪者を
主人公に据えるのは主流になりにくのかな…
と思ったりします、
個人的には好きなジャンルなのですが。
もとい、『最悪』は普通の人達が犯罪に
転がり落ちていく…という小説です。
中小企業の社長、OL、その日暮しのチンピラ、
とそれぞれ生活環境が全く違う3人の
人生が思ってもみなかった状況で交錯し、
「最悪」の運命に弄ばれるように、
犯罪に巻き込まれていきます。
それぞれに止むに止まれぬ事情があって、
それぞれに必死に抗おうとしてもかなわず…
「最悪」の場所に墜ちていく。
犯罪をしてくてする人ってなかなかいないと思います。
それでも、犯罪は起こってしまう…犯してしまう。
その理由や背景をつきつめようとする、
時に“人間の性”に焦点をあてる、
クライム小説の面白さを分かりやす
示している作品だと思います。
正直、ストーリー・テリングの上手さで
カバーしてるものの、随所で垣間見える
ストーリーの荒っぽさは否めないです。
でも、一気に読ませる力のある作品です。
ぶ厚めの文庫本ですが、あっという間に
ページが進む作品でした。
奥田英朗[2002]『最悪』講談社、講談社文庫。
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【本】小説
2011-07-22T19:56:04+09:00
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『大聖堂 (上)(中)(下)』
ケン・フォレットさんの代表作、
『大聖堂』を再読しました。
高校生の頃に読んで、感銘を受けた作品です。
貪るように読んだ記憶があります。
「面白かったなぁ」という記憶とともに、
ずーっと本棚に並んだままになっていたのですが、
久しぶりに無性に読みたくなり、再読しました。
...
ケン・フォレットさんの代表作、
『大聖堂』を再読しました。
高校生の頃に読んで、感銘を受けた作品です。
貪るように読んだ記憶があります。
「面白かったなぁ」という記憶とともに、
ずーっと本棚に並んだままになっていたのですが、
久しぶりに無性に読みたくなり、再読しました。
そして、また貪るように読みました。
12世紀のイングランド(イギリス)を舞台にした作品、
タイトル通り大聖堂をめぐる作品です。
美しく雄大な大聖堂の建立に情熱を傾ける
建築技師や修道僧、そして、その家族たちの
生き様を壮大に描いている作品です。
「大聖堂」と聞いても多くの日本人にとっては、
馴染みの薄いものだと思います。
ですが読み始めれば、すぐにこの小説の
世界に引き込まれることだと思います。
そして、胸が熱くなり、いっぱいになる
小説だと思います。
少なくとも高校生の頃の自分と、
31歳の自分はそうでした。
「世代を超えて楽しめる小説」
ってことみたいです(笑)
ケン・フォレット、矢野浩三郎訳[1991]『大聖堂(上)』新潮社、新潮文庫、
ケン・フォレット、矢野浩三郎訳[1991]『大聖堂(中)』新潮社、新潮文庫、
ケン・フォレット、矢野浩三郎訳[1991]『大聖堂(下)』ソフトバンククリエイティブ、ソフトバンク文庫。
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【本】小説
2011-07-22T13:02:37+09:00
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『阪急電車』
有川浩さんの小説を読みました。
たぶん有川さんの小説を読んだのは、
初めてかなぁと思います。
阪急電車にたまたま乗り合わせた人達の
それぞれの人生をリレー形式で綴っていく小説です。
あまり読んだことのないタイプの小説でした。
恋愛の要素はあるけど、ラブストーリーで...
有川浩さんの小説を読みました。
たぶん有川さんの小説を読んだのは、
初めてかなぁと思います。
阪急電車にたまたま乗り合わせた人達の
それぞれの人生をリレー形式で綴っていく小説です。
あまり読んだことのないタイプの小説でした。
恋愛の要素はあるけど、ラブストーリーではないし、
日常を切り取っているけど、けっして純文学という
趣のある小説ではないです。
阪急電車に偶然乗り合わせたアカの他人達同士、
学生だったり、OLだったり、主婦だったり。
電車を介して、ほんの少し交差する
彼ら彼女らの人生のほんの一場面…
一場面だけど各自それぞれにとっては、
人生の転機のきっかけであったりもする
出来事を切り取っていく小説です。
人にはそれぞれに悩みがあって、幸せがあって、
それぞれの人生があるということを見事に
表現した小説だと思います。
心がほんわかする小説です。
有川浩[2010]『阪急電車』幻冬舎、幻冬舎文庫。
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【本】小説
2011-07-21T02:17:59+09:00
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『馬券会計学 実践バイブル 「競馬脳」をつくる!』
会計士なのに競馬を仕事にしている、
丸の内龍太郎さんの単行本です。
先日、丸の内さんの新書を紹介しましたが、
これはその続編というか詳細版です。
新書で概説されていた内容が新書では収めきれない
豊富な具体例や表、添付DVDなどを交えながら、
より詳しく解説されています。
...
会計士なのに競馬を仕事にしている、
丸の内龍太郎さんの単行本です。
先日、丸の内さんの新書を紹介しましたが、
これはその続編というか詳細版です。
新書で概説されていた内容が新書では収めきれない
豊富な具体例や表、添付DVDなどを交えながら、
より詳しく解説されています。
新書を読んでみて、物足りないなぁとか、
より詳しく丸の内流を知りたいなぁと思った人は
読んでみる価値はあると思います。
厩舎ごとの調教の特徴や種牡馬ごとにまとめた
リーディングサイヤーの表などは、
自分も参考になりました。
添付DVDは手作り感がいっぱいですが、
実際の映像を参考にしながら、丸の内さんが
どんなところで馬の走りを評価しているのか、
より具体的に理解できると思います。
これを読めば馬券が当たるようになるか…
というと、どーなんだろとは思います。
競馬に絶対はないですから。
内容についても、結果が上手くいったレースの具体例が
大半ですし、幾つか紹介されている外したレースについても、
いかに丸の内流の目の付け所がよかったかを
自画自賛する内容が多いなぁと思います。
逆に、自分はこういう理由でこう思ったのだけど…
全く思ったとおりにならなかったケースも
いくつか列挙しておいてくれた方が、
自分が競馬予想をするうえでより参考に
なるだろうなぁと思ったりもしました。
いずれにしても運や山勘以外で
穴馬を探す方法を示唆してくれており、
自分としては参考になるところが多かったです。
良いにせよ悪いにせよ、
他人の熟慮の結果は参考になります。
競馬が好きな人にはお薦めできる一冊だ
とは思いますが…
とりあえず、値段が高いことが内容の価値以上に
最大のネックだと思われます( ̄。 ̄;
ちなみに…自分は中古本(DVD付)を
ネット・ショッピングで購入しました。
丸の内龍太郎[2008]『馬券会計学 実践バイブル 「競馬脳」をつくる!』KKベストセラーズ。
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【本】その他/雑題
2011-07-20T17:41:39+09:00
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『100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ 馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる』
競馬関連の新書続きです。
自分の流行で勢いづいているのと、
電車の中とかでも気安く読よめる(苦笑)
ので続きました。
“調教調査官”なる井上利彰さんの著作です。
競馬に興味のある人なら、馬券を購入するうえで
前レースの成績等が記載されている馬柱は、
必ず目を通す...
競馬関連の新書続きです。
自分の流行で勢いづいているのと、
電車の中とかでも気安く読よめる(苦笑)
ので続きました。
“調教調査官”なる井上利彰さんの著作です。
競馬に興味のある人なら、馬券を購入するうえで
前レースの成績等が記載されている馬柱は、
必ず目を通すことだと思います。
さらに専門紙を購入して、競馬に挑む人が
馬柱とともに目を通すのが調教欄でしょう。
自分も馬券を購入する時は、
馬柱とこの調教欄を必ずチェックします。
本書は、競馬の専門紙「競馬ブック」の調教欄を
用いながら、調教欄からいかに馬の調子を読み取るのか、
また、各厩舎がどのような目論みで馬の調教を
しているのかについて、解説をしています。
本書では競馬にあまり馴染みない人にも分かるように、
一般的な調教欄の見方から丁寧に解説を始めています。
とはいえ、馬柱と同様、狭いスペースに数字と
断片的な単語が詰め込まれた調教欄なので、
初心者にはとっつきにくいでしょう。
まぁ興味がない人はそもそもこの本を
手にとらないでしょうけど。
読んでみて、とっても実用的なタイプ(競馬自体が
実用的かどうかはおいといて…)の本だと思いました。
調教欄にあるハロンごとの数字の羅列と
馬なり余裕や併入などの単語の組み合わせから、
どのような調教が行われたと推測できるのか、
また推測すべきなのか、
読み進めるごとに理解が深まる内容になっています。
また、美浦と栗東のトレセンの調教コースの特徴や
厩舎ごとに調教の特徴が違うことにも触れています。
本番のレースに向けてどのような調教内容が
好ましいのかを各競馬場別・芝ダート別・距離別に、
過去の傾向から分析しているのは、
他の競馬関連書ではなかなかない見られない
本書ならではの分析だと思います。
タイトルは、巷に溢れる“必勝法”的な内容を
連想させますが、タイトルに似合わない
硬派な内容の競馬新書となっています。
競馬に関するデータ分析基礎”
と言ったところでしょうか。
より競馬を楽しむために良い本だと思います。
井内利彰[2009]『100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ 馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる』白夜書房、競馬王新書021。
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【本】その他/雑題
2011-07-04T03:57:08+09:00
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『馬券会計学』
競馬をテーマにした新書を読みました。
会計士だけど競馬を仕事にしているらしい、
丸の内龍太郎さんによる新書です。
前に一度、読んだのですが、
内容を憶えているような…憶えていないような、
だったので再読しました。
競馬でどうやったら収支をプラスにできるか、
とい...
競馬をテーマにした新書を読みました。
会計士だけど競馬を仕事にしているらしい、
丸の内龍太郎さんによる新書です。
前に一度、読んだのですが、
内容を憶えているような…憶えていないような、
だったので再読しました。
競馬でどうやったら収支をプラスにできるか、
ということを主なテーマにした本です。
・的中率より回収率にこだわること
・新馬戦、未勝利戦にレースを絞ること
・穴狙いに徹すること
・危ない危険馬や前走ワケあり大敗馬を見抜くこと
・調教の“粉飾”を疑うこと
といったことが書かれています。
それぞれについて事例などを交えて書いてあり、
それなりに説得力があります。
主に的中したレースを解説しているので、
実際は(というか多くの場合)、外れることが
多いのだろうとは思いますけど…
著者の競馬にかける情熱は人一倍だ、
と思いました。
自分が馬券を買うときは、
著者のように極端な穴狙いはしませんが、
(運頼み以外で)穴馬券を選ぶ方法の一端に
触れることができたと思いました。
何より、新馬戦や未勝利に
より興味を抱きやすくなったことが
自分としては一番の収穫でした。
より競馬が面白くなる一冊です。
丸の内龍太郎[2007]『馬券会計学』KKベストセラーズ、ベスト新書。
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【本】新書
2011-06-30T02:12:22+09:00
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『死神の精度』
『ゴールデンスランバー』が面白かったので、
伊坂幸太郎さんの小説を新たに読みました。
前回に読んだ『ゴールデンスランバー』は、
長編小説でしたが、今回の『死神の精度』は
表題作をはじめとした6編からなる短編集です。
長編作品をじっくりと読むのが好きなので、
あまり短編集っ...
『ゴールデンスランバー』が面白かったので、
伊坂幸太郎さんの小説を新たに読みました。
前回に読んだ『ゴールデンスランバー』は、
長編小説でしたが、今回の『死神の精度』は
表題作をはじめとした6編からなる短編集です。
長編作品をじっくりと読むのが好きなので、
あまり短編集って選好しないのですが…
知人が貸してくれた幾つかの本の中に、
たまたま伊坂さんの小説があったので、
手にとってみました。
タイトルにもある死神が各編での、
共通の主人公となる短編集です。
ミュージックが好きで、渋滞を嫌悪し、
サラリーマンのように仕事を抱える死神…
というちょっと風変わりな主人公です。
死神は、一週間前に控えた人の前に姿を表します。
そして、その人の生活状況を調査し、
一週間後に迫った「死」を「可」とするか、
「見送り」とするかの報告を行ないます。
多くの場合は「可」となるらしく、
八日目に「死」が調査対象者に訪れます。
この死神のキャラクター設定だけでも、
面白いなぁと思える作品でした。
もちろん“仕掛け”が上手ければ、その分、
その仕掛けをどのように活かしていくかが
難しくなると思いますが…
やっぱり伊坂さんって技量のある作家さんだなぁ、
と思わせる作品の数々でした。
目前に死に控えて、そしてその多くの場合、
調査対象者達はその事実を知らないのですが、
それぞれの人生がその最後かもしれない一週間に
凝縮されているようです。
死神はそれぞれの一週間を調査対象者の隣や
間近で眺めて、「可」か「見送り」の報告をします。
死神は事務的に報告を行なおうとする一方で、
死を目前にした人間の言葉や感情を、
彼なりに咀嚼しようとします。
死神や死をテーマに扱っているにもかかわらず、
どことなくファンタジーを感じさせる作品です。
伊坂幸太郎[2008]『死神の精度』文藝春秋、文春文庫。
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【本】小説
2011-06-29T10:36:14+09:00
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