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第144回芥川賞、もう一つの受賞作…
むしろ、こっちの方が本命だった作品です。
朝吹真理子さんの『きことわ』を読みました。
選考委員の圧倒的多数が支持した作品だそうです。
巧みな技量をベースに五感にうったえる作品で、
現代アートを感じさせるような作品だと思いました。
夢と現実、現在と過去を行ったり来たりする作品。
優れた文学作品は、その世界を読み手に
立体的に体験させることができます。
さらに、本作は時間軸を取り込むことで
4次元的な視点を組み込むことに
成功していると思いました。
個々の文章はとっても、とっても作り込まれています。
ただ、個人的にはあまり好きではない類の
作品だなぁと思いました。失敬。
優れた作品だとは思うのですけど。
それぞれの文章からも作者のこだわりが感じられる
ことなど、優れているとは思いますが…
それが逆にあざとく感じられてしまいました
また、どうしても退屈な感が否めませんでした。
本作の好き嫌いというよりは、この類の作品が
あまり得意ではないということだと思います。
良し悪しより、好みの問題ということ。
朝吹真理子[2011]「ときこわ」『文藝春秋』文藝春秋、pp.390-443.
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