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ぼそっと。映画の話、本の話。
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観たのは昨年、封切られて間もない頃…
感想を書くのが遅くなってしまいました。

サボってました、o(_ _o)スンマソン。


んで、そんな間に気づけばこの作品。
今冬の話題作となっただけでなく、
アカデミィー賞の候補にノミネートされたらしい…わけで。

自分的には心の片隅に、
“それほどか!?”という思いはありつつも…。


とりあえず、おめでと。
自分の個人的な評価は違っていても、それはそれで
“大したもんだッ!!”って素直に思う次第で。

アメリカ人が描く日本人。
そして、話題作ゆえにアメリカ人の思い描く日本人像の
一端を担っていくだろう作品。
その印象の良し悪しは、それこそ人それぞれ、
受け取り方次第だろうけど、
観る価値はある作品かな、と思う。



あらすじ。

2006年、硫黄島で地中から数百通もの手紙が発見される。
それは、61年前にこの島で戦い、散っていった男たちが
最愛の家族宛てて書いたものだった。

届かなかった手紙。

そして、その61年前。1944年6月の硫黄島。
一人の陸軍指揮官がその島に降り立った。

陸軍中将、栗林忠道(渡辺謙)。

アメリカ留学の経験を持つ彼は、部下に対する体罰を戒め、
合理的な作戦を展開しようとする。

そんな彼の姿に、硫黄島での兵役に嫌気を感じていた
一兵卒の西郷(二宮和也)は、希望を抱く。

しかし、戦況は絶望的な様相を呈し始める。

本土防衛のための最後の砦、硫黄島。
1945年2月19日、ついにアメリカ軍は硫黄島への
上陸作戦を開始する…。


太平洋戦争末期、日米の激戦地となった硫黄島。
その“硫黄島”を日米それぞれの視点から描こうと試みた
クリント・イーストウッド監督による意欲作。
本作は日本側からの視点によって描かれた作品です。
米国側からの視点によって“硫黄島”を描いた
父親達の星条旗』は、姉妹作。


★★★▲☆(3.5)~(-。- )悪貨ハ良貨ヲ駆逐スル…




感想(以下、ネタバレの可能性あり)。


概ね、“悪くはないかなぁ、この映画。”と思うのですが、
主人公の一人(西郷=二宮和也)の在り方に
徹頭徹尾、違和感を感じてしまい…
痒いところに手が届かないような気分を引きずりました。

主人公の大切さを改めて。

その西郷を、皮肉屋の大人な人間に描きたいのか…
それとも、無垢の心を宿した少年として描きたいのか。
キャラクターの設定が不明確なのが、何よりその“痒かった”ところ。

そもそも、そんな性分の日本人の若人がいたのかなぁ、
なんて思いも残るわけで。

仮に、西郷をそのままアメリカ兵に置き換えれば…
あり得る感じもするキャラだけど。

アメリカ化された(=アメリカ人の理解のもとに描かれた)日本人が
描かれているなぁ…と感じた次第です。

「だって、そもそもそういう作品じゃん!!」
っていう突っ込みはなしでw


あまり意味あることではないかも知れんけど…
姉妹作品を比較して、あえてどちら!?と問われれば、
自分は、『父親達の星条旗』を推しますッ!!

やっぱり、アメリカ人が描いたアメリカの方が深いのかな…と。


とは言え。

“硫黄島”にスポット・ライトを当てたクリント・イーストウッド監督は、
それでけでも「凄いッ!!」って思う。

真珠湾、沖縄、サイパンやミッド・ウェーに比べると
地味な感じだからね、硫黄島。

だけど。

島の形が変わるほどの砲弾をアメリカ海軍から打ち込まれたうえ、
徒手空拳も同様に玉砕していった旧日本兵と、
(旧日本兵←この表現どうなの??って思いもあありつつ…)
それに負けなかった米兵。

硫黄島の激戦は、多分に…自分が想像する以上に
激烈な戦争だったのだろう、と。

少なくとも(むしろ、それで十分なくらい。)
そこに着目しただけで、偉いかな…と。

戦争映画ってなると、
型にはめたような出来なる最近の邦画より、
ましかな…なんて思うわけで。


まとめると。

戦争を描いた映画としては、
格別に目を惹くほどに優れた映画ではないな…と思った。
けど、日本も一方の当事者だった戦争にも関わらず、
これを超えるほどの邦画って最近、観ないなぁ。
それは残念だと思うし、淋しいなぁと。

そんな感想を持ちました。
本筋とはちょっとズレてるけどね。


私小説的な映画だけでなく、
もっと歴史にも切れ込んで欲しいな…
邦画の担い手様達って思います。



『硫黄島からの手紙』
監督:クリント・イーストウッド、脚本:アイリス・ヤマシタ、
製作総指揮:ポール・ハギス、製作:スティーブン・スピルバーグ、
出演:渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童、裕木奈江、他。
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