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ちょっと前に話題になった本を
読んでみました。
ノモンハンの戦いから沖縄戦にたるまでの
いわゆる“大東亜戦争”での
(↑この呼び方にも色々あるけど。)
(旧)日本軍の惨たる敗北の要因を
その組織構造や機能に着目して研究した
成果をまとめた本です。
学術論文というまでの専門性、
もしくは無装飾っぷりや色気のなさ(!?)
ほどまではいかないまでも、
かなり本格的に研究色の色彩が
濃い内容になってます。
ベストセラーになったことが
意外に思えるような硬派な内容でした。
ずんとくるタイトルと
敗戦の研究という大枠が琴線に
触れたのでしょうか。
何にせよ、読んでみて、
ベストセラーの名に恥じない
内容だなぁと思いました。
“はしがき”や「序章」でしっかりと
論点が絞られているように、
敗戦の要因となる日本軍の
組織的な特性がケース・スタディに始まり、
続いて理論的な考察からも
明らかにされていきます。
もどかしく思いながらも、
負けるべくして負けたんだな…
ということを改めて思いました。
そして、その日本軍の特性が
現在の日本の様々な組織にも
共通している(…しっかりと残存している)
ということにふと気づきます。
政治組織や企業組織など、
日本人による“日本的な”といわれる
様々な組織にそのままあてはまることに
気づき、本の中でも指摘がされます。
もちろん、“日本的な”ことが
上手く機能することがんあることも
当然の前提ですが…
(官僚制組織のように)“逆機能”を
起こしているのではないかということに
気づくと思います。
日本人は、濃淡や方向性の違いあれど、
“大東亜戦争”を反省していることは
間違いないと思います。
しかし、現在に至っても
日本人は結局、同じ“誤り”を
犯しているのではないか…と思い、
なんだか背筋が寒くなりました。
検証って大事。
戸部良一・寺本義也・鎌田伸一・杉之尾孝生・村井友秀・野中郁次郎
[1991]『失敗の本質』中央公論社、中公文庫。
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